AEO(LLMO)対策は何から始める? Googleが「それはまだSEO」と書いた今、足すことと、やらなくていいこと
AEO・GEO・LLMO対策は、結局何から手を付ければいいのか。Googleの公式ガイド(2026-07-10更新)を原文で読み直し、OpenAI・Anthropicの公式docs、論文、Ahrefsの実験を原典で確かめて「やる・足してもいい・やらなくていい」に仕分けました。さらに日本の20サイトに実際にチェックを回すと、robots.txtは許可なのにCDNで門前払いのサイトが4つ見つかりました。今日30分でできるチェックの手順とコードつき。
文・ニコ

「AEO対策、LLMO対策、GEO対策。うちも何かやったほうがいいのかな…」
検索してみると、答えはバラバラ。「FAQを作れ」「llms.txtを置け」「記事を細かく刻め」「業者に頼め」。
いったい、どれが本当に必要で、どれは手間のムダなんでしょう? 判断する材料は、なかなか見つかりません。
そんな中、2026年5月にGoogle自身が答えを書きました。公式ガイドに、こうあります。
From Google Search's perspective, optimizing for generative AI search is optimizing for the search experience, and thus still SEO.
(Google検索の立場では、生成AI検索の最適化は検索体験の最適化であり、だからやはりSEOです) ——Google Search Central「Optimizing your website for generative AI features on Google Search」(日本語訳はぼくによる)
つまり「AEOという別の仕事があるわけではない」。ただし、これはGoogleの検索の話だけです。ChatGPTやClaude、Perplexityのことは、Googleには決められません。
じゃあ、結局なにをすればいいんでしょう? 公式ドキュメントと原典を改めて確認し、さらに日本の20サイトで実際にチェックを実行してみました。
この記事で分かるのは、次のことです。
- AEO・GEO・LLMOって、結局どう違うのか(通関の「AEO」との混同にも注意)
- Googleが「やらなくていい」と名指しした5つのこと
- やる順番と、それぞれの根拠の強さ
- 日本の20サイトを実測して見つかった「robots.txtは許可なのに、AIボットが入れない」サイト
- 今日30分でできるチェックの手順(コードつき)
自社サイトやブログを運営している人、マーケティング担当の人、設定を触れるエンジニアの人に向けて書きました。専門用語も、そのつど説明していきます。
先に結論
- Googleは、AI Overviews・AI Modeに出るための特別な最適化はないと書いています。条件は、通常の検索の技術要件と、Search Consoleで生成AI機能に「含める」設定(初期設定)だけ。やることは、これまでのSEOの延長です。
- Googleが「無視してよい」と名指ししたのは、llms.txt、チャンク化(記事を細かく刻む)、AI向けだけの書き換え、本物でない「言及」集め、構造化データへの過剰な傾倒の5つです。
- 一方で、ChatGPTなどのAI検索に出る入口は、ボットの許可です。Googleの話とは分けて、必ず確認しておきましょう。
- 本当に効くと言えるのは、「質問に話題がぴったり合っている」「独自の中身がある」くらい。FAQやスキーマ、表、長文化は、効くという根拠が弱いか、実験では効果が見えていません。
- AI経由の流入は、まだサイト全体の1%前後。始める前に、計測の窓を開けておくと、後で効果を判断できます。
まず用語:AEO・GEO・LLMOは、ほぼ同じ方向の呼び名
3つとも、「ChatGPTやGoogleのAI回答などに、自分のサイトが出るようにする工夫」を指して使われます。
| 呼び名 | 正式名 | 一言で |
|---|---|---|
| AEO | Answer Engine Optimization | 「答えを出すエンジン」向けの最適化 |
| GEO | Generative Engine Optimization | 「文章を生成するエンジン」向けの最適化(2023年の論文が出どころ) |
| LLMO | Large Language Model Optimization | 大規模言語モデル向けの最適化(日本で広まった呼び方) |
GoogleはAEOとGEOを自ら定義した上で、「Google検索から見れば、やはりSEO」と整理しました。ここから先は、まとめて「AI検索対策」と呼びます。
ただ、検索するときにはひとつ落とし穴が。「AEO」で検索すると、通関の「AEO制度」(認定事業者制度)の話がたくさん出ます。AI検索の話ではありません。今回の調査でも、「AEO 始め方」の検索結果は、上位30件のうち24件がそちらでした。検索するときは「AEO 生成AI」や「LLMO」と書くと、迷子になりにくいです。
Googleは、何を書いたのか
2026年5月15日、GoogleがSearch Centralのブログで、新しい公式ガイドを発表しました。ガイド本体は英語版が2026年7月10日、日本語版が9月23日に更新されています(ぼくが2026年10月8日に原文を取り直して確認しました)。
どんな内容なのか、ぼくなりに整理してみます。
1. 土台は今までのSEOのまま。 AI Overviews・AI Modeに出るには、そのページがGoogleにインデックスされていて、スニペット(検索結果の説明文)付きで表示できる状態であること。加えて、Search Consoleで生成AI機能に「含める」設定になっていること(初期設定で含まれます。ステップ2で確認します)。ガイドは、Googleの生成AI機能が「核となる検索のランキングと品質のシステムに根ざしている」と説明しています。
2. いちばん効くのは「非コモディティ」な中身。 原文では、「人がユニークで、納得感があり、役に立つと感じる内容を作ることが、このガイドの他のどの提案よりも、長い目で見て生成AI検索での存在感に影響しそう」と書かれています。「コモディティ」は、誰が書いても同じになる、よくある知識の記事のこと。たとえば「初めての住宅購入、7つのコツ」。逆に「検査を免除して費用を節約した理由:下水道管の内部調査」のような、体験や専門家の見方が入った記事が「非コモディティ」です。
3. 「無視してよい」と、はっきり書かれたもの。
| やらなくていいこと | Googleの説明(要約) |
|---|---|
| llms.txtなどの「特別なファイル」 | Google検索は使わない。作っても、良くも悪くもならない(他のサービスのために作るのは自由) |
| 「チャンク化」(内容を細かく刻む) | AIのために細かく刻む必要はない。ページの理想の長さもない |
| AI向けだけの書き換え | AIは同義語や意味を理解する。ロングテールの語を網羅しなくてよい |
| 本物でない「言及」集め(原文は inauthentic) | 思ったほど役に立たない |
| 構造化データへの過剰な傾倒 | AI検索に必須ではない。特別なschema.orgもない。従来のリッチリザルト目的で使うのは良い |
4. やりすぎるとスパム。 質問の言い換えごとに、別ページを大量に作ること(fan-outクエリ向けの量産)は、「scaled content abuse(大量生成によるスパム)」の方針に違反しうると書かれました。
5. 業者への注意。 「第三者のツールは、Googleの内部のランキングやAIシステムにアクセスできない」「AEOやGEOのサービスを検討するなら、第三者SEO助言の評価ガイドを読むこと」とあります。
ここで、話の範囲を確かめておきましょう。
このガイドは、Google検索のAI機能(AI Overviews、AI Mode)の話です。ChatGPT、Claude、Perplexity、Copilotは、別のしくみで動いています。
この記事の結論を図にまとめました。ここからは、それぞれの根拠を見ていきましょう。
何から始める? 7つのステップ
Google・OpenAI・Anthropicの公式情報、論文、実測データを調べると、共通する順番が見えてきました。根拠が強いものから順に見ていきます。
ステップ0:SEOの土台を点検する
まずは、Googleの技術要件を確認しましょう。
- ページがクロールできて、インデックスされている
- スニペット付きで表示できる(
nosnippetやmax-snippetは、AI機能への入力も制限します) - 本文が、JavaScriptなしの初期HTMLに入っている
- 重複ページを減らす
Google検索はJavaScriptを処理できます。ただし、AIのクローラーが同じとは限りません。2024年12月にVercelとMERJが公開した調査では、主要なAIクローラーはJavaScriptを実行しないと報告されています。古い調査なので、今も同じかは追試が必要ですが、重要な本文は、初期HTMLに入れておくのが安全です。
ステップ1:AI検索のボットを止めていないか、確認する
ここは、Googleの話とは大きく違うところ。ChatGPTやClaudeは、それぞれ用途の違うボットを3種類使い分けています。
| 会社 | 学習用 | 検索用(引用の入口) | ユーザー操作用 |
|---|---|---|---|
| OpenAI | GPTBot | OAI-SearchBot | ChatGPT-User |
| Anthropic | ClaudeBot | Claude-SearchBot | Claude-User |
| Perplexity | - | PerplexityBot | Perplexity-User |
| Google-Extended(検索のAI機能への掲載は制御しない。モデルの学習には効く) | Googlebot | - |
「検索用」を許可していないと、そのAIの検索結果に出にくくなるんです。OpenAIの公式docsでは、次のように説明されています。
Sites that are opted out of OAI-SearchBot will not be shown in ChatGPT search answers, though can still appear as navigational links. (OAI-SearchBotを拒否したサイトは、ChatGPT検索の回答には表示されません。ただしナビゲーション用のリンクとしては出ることがあります) ——OpenAI「Overview of OpenAI Crawlers」
Anthropicも、Claude-SearchBotを無効にすると「検索結果でのサイトの見え方と正確さが下がるかもしれない」と書いています。
ここで覚えておきたいのが、学習用と検索用は別の設定だということ。「AIの学習には使われたくないけど、AI検索には出たい」なら、こう書きます。
User-agent: OAI-SearchBot
Allow: /
User-agent: Claude-SearchBot
Allow: /
User-agent: PerplexityBot
Allow: /
User-agent: GPTBot
Disallow: /
User-agent: ClaudeBot
Disallow: /
User-agent: Google-Extended
Disallow: /
ただし、この書き方には落とし穴があります。robots.txtで適用されるのは、ボットごとのグループが1つだけ。Googleの仕様にも、こう書かれています。
Only one group is valid for a particular crawler.(特定のクローラーに有効なグループは1つだけです)
たとえば、次のように書いたとします。
User-agent: *
Disallow: /drafts/
User-agent: OAI-SearchBot
Allow: /
「/drafts/は、全ボットに見せない」つもりでも、OAI-SearchBotには効きません。OAI-SearchBot用のグループだけが使われて、*のグループは合成されないからです。Pythonの標準ライブラリで確かめると、SomeBotは拒否、OAI-SearchBotは許可でした。
さらに、OpenAIの説明によると、robots.txtの変更が検索結果に反映されるまで約24時間かかります。もうひとつ注意したいのが、CDNやWAF(サーバーの手前でアクセスを選別する番人)で遮断していると、robots.txtで許可してもボットは届かないことです。
この「2つ目の門」で、本当に止められるのでしょうか? 次の節では、実際に確かめた結果を紹介します。
実験:日本の20サイトに、30分チェックを回してみた
「ボットの許可確認」を毎回手でやるのは大変です。そこで、チェックを自動化するスクリプトを書き、20サイトで動かしてみました。
調べたのは、次の6つです。
- robots.txtが、AI関連のボットなど10種類のUAを許可しているか
/llms.txtが、本当に存在するか- トップページの本文は、JavaScriptなしのHTMLにどれだけあるか
- ふつうのブラウザと、AIボットを名乗るリクエストで、返事が違うか(
OAI-SearchBot、GPTBot、ClaudeBot、PerplexityBotのUAと、対照のFooBot/1.0) noindexなどのrobots指定- JSON-LD(構造化データ)の有無
Pythonの標準ライブラリだけを使い、1サイトあたりのリクエストは10回以内にしました。対象はニュース、IT系メディア、大企業、SEO会社、そしてaachat自身。サイトはぼくが手で選びました。ランダムに選んだわけではないので、「日本のサイトの何割が」とは言えません。あくまで「こういうことが実際に起きている」という実例です。
この実験の限界:ぼくのリクエストは、UA(名乗り)だけをAIボットに似せたもので、IPアドレスは本物のOpenAIやAnthropicのものではありません。CDNがIPで本物を見分けているサイトでは、本物のボットは通れるかもしれません。ここで分かるのは、「UAだけで機械的に弾かれるか」までです。
結果を分類すると、こうなりました(2026-10-08に実施。前2回の試行でも同じ傾向でした)。
| 分類 | サイト数 | サイト |
|---|---|---|
| robots.txtで、AIボットをほぼ全面的に断っている | 5 | 朝日新聞、日本経済新聞、読売新聞、Yahoo!ニュース、NHK |
| robots.txtは許可なのに、UAで門前払いされた | 4 | トヨタ、note、Zenn、日本語版Wikipedia |
| 測定できなかった | 1 | メルカリ(ふつうのブラウザUAでも403) |
| 問題なし | 10 | aachat、Google for Developers、Qiita、KDDI、ITmedia、GIGAZINE、Ahrefs、Semrush、Moz、楽天 |
発見1:robots.txtは「お願い」。守るかどうかは、相手しだい
新聞社などの5サイトは、robots.txtでAIボットを断っています。ただ、ぼくのリクエストには、NHK以外の4サイトが普通に200(成功)を返しました。
robots.txtは、鍵ではなく「入らないでください」の貼り紙です。本物のボットが守るかどうかは、各社の運用しだい。逆に言えば、本気で止めたいなら、CDN側で止める必要があります。
NHKだけは、対照のFooBot/1.0も含めて、ブラウザ以外のUAには接続自体を返してくれませんでした。AIボットだけを狙った設定というより、UAで広く弾いているように見えます(理由は外からは分かりません)。
発見2:robots.txtは許可。でも、CDNで弾かれる
今回、ぼくが一番驚いたのがここです。
| サイト | robots.txt | OAI-SearchBot | GPTBot | ClaudeBot | PerplexityBot | 対照FooBot |
|---|---|---|---|---|---|---|
| トヨタ | 許可 | 403 | 403 | 403 | 403 | 200 |
| note | 許可 | 200 | 403 | 403 | 200 | 200 |
| Zenn | 許可 | 200 | 403 | 403 | 200 | 200 |
| 日本語版Wikipedia | 許可 | 200 | 200 | 403 | 200 | 200 |
(数字はHTTPステータス。200は成功、403は「アクセス拒否」)
トヨタのサイトは、robots.txtではAIボットを禁止していません。それなのに、AIボットを名乗るUAには、CDN(応答のServer: AkamaiGHostから、Akamaiとみられます)が「Access Denied」を返しました。対照のFooBot/1.0は通ります。「AIボット」と名乗ったところで、引っかかったわけです。
noteとZennは、学習用のGPTBotとClaudeBotだけを弾いて、検索用のOAI-SearchBotとPerplexityBotは通しています。さっきの「学習用と検索用は別」という考え方と合っていて、意図した設定に見えます。ただし、noteのOAI-SearchBotは別の回に503が返ったこともありました。1回の結果だけで決めつけないほうがよさそうです。
トヨタのように、サイトの運営者が意図していないかもしれないケースは、robots.txtを読むだけでは見つかりません。UAを変えて、実際にアクセスしてみないと分からないのです。
そして、この4サイトが「本物のAIボットも弾いている」かどうかは、ぼくには分かりません。本物はIPで見分けられて、通っている可能性があります。自分のサイトでは、CDNの管理画面で、AIボットの扱いを確かめてください。
発見3:llms.txtは、200が返っても「ある」とは限らない
/llms.txtが存在したのは、20サイトのうち、aachatとSemrushの2つだけでした。
ところが、最初のスクリプトは楽天も「あり」と判定していました。中身を見ると、llms.txtではなくCDNのエラー文(Reference #<esi:vars name="AKAMAI_DEBUG_STRING"/>)が200で返っているだけ。ぼく自身のスクリプトが、偽陽性にだまされていたわけです。チェックする側も、油断できません。
「先頭が#で始まるMarkdownか」を条件に加えて、判定し直しました。HTTPステータスだけで「ある」と数えると、数字が膨らみます。他社の調査を読むときにも、気をつけたいところです。
ちなみに、aachatのllms.txtは、ブログではなくドキュメント向けです。AIエージェントがdocsを読むためのもので、Google検索に出るために置いたものではありません。ここは、次の節で説明します。
発見4:aachatのブログは、どうだった?
aachat自身は、10サイトの「問題なし」に入りました。robots.txtは全ボットを許可していて、AIボットのUAでも200。記事ページ(agents-md-instructionsで確認)は、JavaScriptなしの初期HTMLに本文が約1万字入っていて、BlogPostingのJSON-LDもあります。
ただし、確認できたのは入口が開いていることまでです。実際にAIボットが来ているか、引用されているかは、サーバーログも引用の記録も取れていないので、分かっていません。
ステップ2:Search Consoleの「生成AI機能」の設定を確認する
Googleのガイドには、「Search Consoleで、サイトが『Search generative AI features』に含まれていること」が、AI機能に出る条件として書かれています。既定では含まれていますが、除外していないか、念のため見ておきましょう。
ステップ3:狙う質問を決めて、今の状態を記録する
まず「お客さんが聞きそうな質問」を、ブランド名を入れずに10〜50個考えましょう。その質問をChatGPT・Perplexity・GoogleのAI回答に入力し、自社が出るか、出るなら何番目か、競合は誰かを表に記録します。
1回だけで判断しないでください。SparkToroとGumshoeの調査(2026年1月、2,961回)では、同じ質問をしても、同じブランドのリストが2回出る確率は100回に1回未満でした。何回聞けば足りるかは、AI検索からの流入、どう測る?で、ぼくの実測(Claudeに220回)をもとに説明しています。
ステップ4:大事なページに、独自の中身を足す
ここがGoogleの言う「一番効く」ところ。新しいページを量産するのではなく、すでに読まれているページ5〜10本に、次のようなものを足します。
- 自分で試した結果、失敗談
- 自社のデータや数字
- 専門家としての判断(「私たちはこう選んだ」)
- 最新の例
では、更新日だけ新しくすればいいのでしょうか? それはおすすめしません。2文書を比べる模擬環境の実験では、新しい日付だけでも引用されやすくなりました。でも、実際のAI検索で同じことが起きるかは分かりません。中身が同じなら、読む人にとっては何の価値もありませんよね。中身を更新して、その結果として日付が新しくなる。この順番で進めましょう(後で表にします)。
ステップ5:Bing Webmaster Toolsに登録する
Microsoft(Copilot・Bing)は、公式の「AI Performance」レポートで、引用された回数や、引用されたページ、AIが裏で使った検索語(grounding queries)のサンプルを見せてくれます。無料なので、登録しておいて損はありません。サイトマップを送って、IndexNowも設定します。
ただし、ChatGPT検索がどこまでBingに頼っているのか、公式の記述は見つかりませんでした。「Bingに入れればChatGPTに出る」とは、言い切れません。
ステップ6:計測の窓を開ける
効果を後で判断するために、最初に計測を入れておきます。無料の窓は、GA4の「AI Assistant」チャネル、Search Consoleの生成AIレポート、Bing Webmaster Tools、サーバーログの4つ。それぞれ、見える範囲が違います。使い方は、別の記事にまとめました。
ステップ7:自社サイトの外で、自然に言及される
ChatGPTなどは、自社サイトのほかにも比較記事、レビュー、Reddit、YouTube、ニュースなどを引用します。ただし、自然に言及されることの効果については、まだ根拠が弱いので注意が必要です。
Ahrefsの調査(7.5万ブランド、2025年5月)では、ブランドのWeb言及の多さと、AI Overviewsでのブランドの見え方は、順位相関係数0.664で、被リンク(0.218)よりずっと強く連動していました。でも、相関であって、「言及を増やせば引用される」という実験ではありません。しかもGoogleは、「本物でない(inauthentic)言及集めは、思ったほど役に立たない」と書いています。
だから、無理に言及を「集める」より、良いものを作って、自然に言及されるのを待つ。それ以上のことは、まだ確かめられていません。
「効く」と言えるのは何? 根拠の強さで並べ直す
記事の書き方には、いろいろな「コツ」が出回っています。では、どこまで確かめられているのでしょうか? 論文や実測データをもとに並べました。
| 施策 | 根拠の強さ | 何が分かっているか |
|---|---|---|
| 質問に、話題がぴったり合っている | 強い | 252,000回の統制実験(2605.25517、6つのモデル)で、最大の要因の1つ(もう1つは、リスト内の位置)だった |
| 価格・数字など具体的な情報 | 中 | 同じ実験で、価格の有無は一貫して効いた。ただしC-SEO Benchという別のベンチマークでは、多くの手法が「ほとんど効かず、むしろ順位を下げることもある」と報告された |
| 実際の更新と、新しい日付のセット | 中 | 同じ実験で、新しい日付は一貫して効いた。模擬環境では、日付だけの違いでも効いた。実際の検索で同じかは不明 |
| 独自の一次情報・体験 | 公式が強く推奨 | Googleの「非コモディティ」。ベンダーの調査は相関 |
| 結論先出し・見出し・表 | 割れている | Microsoftなどは推奨。実験では「形式だけの編集」は効果が小さい(同じ252,000回の実験) |
| FAQ・Q&A形式 | 弱い | FAQのリッチリザルトは、2026年5月7日からGoogle検索に表示されなくなった(5月8日に発表) |
| スキーマ(構造化データ)の追加 | 弱い(むしろ否定的) | Ahrefsの対照実験 |
| 長文化 | 効かない側 | 文字数とAI Overviewsでの引用の相関はほぼゼロ(Ahrefs、0.04) |
| キーワードの詰め込み | NG | GEO原典の実験でも効果なし。Googleのスパム方針にも反する |
| llms.txt | 効かない側 | Google検索は使わない。Ahrefsの調査でも、読まれていない |
ここでは2つの数字について、原典で確かめた結果をもう少し詳しく見てみましょう。
スキーマの対照実験(Ahrefs、2026年5月) 2025年8月〜2026年3月に、JSON-LDを追加した1,885ページと、追加しなかった4,000ページを比べました。結果は、AI Overviewsでマイナス4.6%(統計的に有意)。AI ModeとChatGPTは、ゼロと区別がつきませんでした。Ahrefsは、この減少がスキーマのせいだと断定はできない、と書いています。「スキーマは逆効果」とまでは言えず、少なくとも、引用を増やす効果は見えなかったということです。
llms.txt(Ahrefs、2026年6月) 137,210ドメインのうち、28%がllms.txtを公開していました(Ahrefsは、利用者がSEOに詳しい層に偏るので、これは上限と注記)。有効なファイルを持つ約3.8万ドメインのうち、97%は、5月のあいだ1回もリクエストがありませんでした。アクセスの19.5%がAIボット由来ですが、AIボットの中ではGPTBot(学習用)が最多、次いでClaude Codeで、AI検索や回答用のボットより多いという結果でした。
「効果が見えなかった」と「害がある」は別です。llms.txtを置くのは自由ですし、Googleも「害も益もない」と書いています。時間をかける優先順位が低い、というのが、正確な言い方です。
論文の「最大40%向上」は、本当?
GEO(生成エンジン最適化)の原典論文にある「最大40%」という数字は、広く引用されています。ただし、これは論文の著者が作った模擬環境(gpt-3.5ベース)での結果。語数にもとづく指標で測ったものです。同じ論文の表では、検索1位のページは、同じ手法で30%も下がっています。
その後の追試(C-SEO Bench、NeurIPS 2025)では、手法の多くが「ほとんど効かず、むしろ順位を下げることもある」という結果でした。参加者が増えるほど、全体の効果が薄れる(ゼロサムに近づく)という報告もあります。
「論文で40%向上」を見たら、どの環境で、何を測った数字かを確かめましょう。
「AI流入が増えるなら、やらなきゃ」の前に
AI検索からの流入は、サイト全体のまだ小さな割合です。SE Rankingは0.32%、Conductorは1.08%、973のECサイトを調べた研究では約0.2%でした。
一方で、AIの回答が増えるとクリックは減る傾向があります。Pewの調査(2025年3月)では、AI要約が出る検索は、リンクがクリックされた割合が8%、出ない検索は15%。AhrefsのGoogle日本のデータでは、情報収集型キーワードの1位のクリック率が、予測より38.0%低く(2025年12月)、62.7%低く(2026年6月)なっています。どちらも相関で、原因はひとつではありません。
つまり、AI検索対策は、「流入を急に増やす魔法」ではありません。まず、止まっていないか確認して、中身を良くして、測る。順番を間違えなければ、手間は大きくありません。
業者に頼む前に、確かめたい4つのこと
Googleは、「第三者のツールは、内部のランキングやAIシステムにアクセスできない」と書いています。業者の説明を聞くときは、次のように確かめてみましょう。
- 「効く」の根拠は、何ですか?(公式のドキュメント、公開された実験、それとも自社調べ?)
- 測定は、何回・どの方法ですか?(同じ質問でも毎回答えが変わります。1回の結果は、占いに近いです)
- 対照(何もしないページ)は、置いていますか?(施策をしていないページでも、ChatGPT経由の流入が3.5倍に増えた事例があります。Glasp、2606.04362)
- llms.txtやFAQ、スキーマの追加が、成果の中心になっていませんか?(この記事で見たとおり、根拠は弱いです)
よく見かける数字にも、気をつけたいものがあります。
| よく見る数字 | 確かめた結果 |
|---|---|
| 「AIO付きの検索の83%がクリックなし」 | 出どころが分からなかったので、使っていません |
| 「AI流入のCVRは23倍」 | Ahrefs自社1サイトの話。973のECサイトを調べた研究では、オーガニック検索のCVRがChatGPTより13%高い |
| 「GEOで最大40%向上」 | 上の節のとおり。模擬環境での語数指標 |
| 「Googleの上位10位との重複は76%→38%」 | Ahrefs自社データの、AI Overviewsだけの話(2025年7月→2026年3月)。他のAIの話ではない |
今日30分でできる、チェックリスト
- robots.txtを見る:
curl -s https://自分のサイト/robots.txtで、OAI-SearchBot、Claude-SearchBot、PerplexityBotが拒否されていないか。User-agent: *だけで、特定ボットのグループがないなら、*のルールが適用されます。 - CDN・WAFを見る:Cloudflare、Akamai、Fastlyなどの管理画面で、「AIボットのブロック」や「Bot Fight Mode」の設定を確認。
- UAで試す:下のスクリプトで、AIボットのUAのときに、返事が変わらないか確認。
- 本文がHTMLにあるか:
curl -s https://自分のサイト/記事URL | grep "記事の見出し"で、見出しが出るか。 - llms.txtを見る:
curl -s https://自分のサイト/llms.txt | head -3。先頭が#で始まらなければ、ないのと同じです。 - GA4・Search Console・Bingを開く:まだなら、登録して、数字がたまるのを待つ。
- 質問を10個、AIに聞いて、表に記録:自社が出るか、引用元は何か。1回だけでなく、週1で繰り返す。
- 問い合わせフォームに、1問足す:「どこで当社を知りましたか?(ChatGPTやGoogleのAI回答なども、あれば)」
3番のスクリプトは、実験で使ったものです。標準ライブラリだけで動きます。
python3 aeo_check.py https://自分のサイト > result.json
結果のJSONには、robots.txtの判定、llms.txtの有無、トップページの本文の量、UA別のステータスなどが入ります。コード全体はaeo_check.py、20サイト分の結果はresults.jsonから確認してください。図版のスクリプトはmake_figures.pyです。
他人のサイトに回すときは、ほどほどにしてください。1サイトあたり10回以内のGETだけで、間隔をあけて、それ以上は繰り返さないほうが無難です。自分のサイトでやるのが、一番確実です。
限界と、確かめられていないこと
正直に書いておきます。
- 20サイトの実験は、ぼくが手で選んだものです。 日本のサイト全体の傾向とは言えません。UA(名乗り)を似せただけで、IPは本物ではないので、本物のAIボットが弾かれているかは分かりません。1サイトあたりの試行も、同じ日の数回だけです。
- 「AIに引用される」ことを、ぼく自身は測っていません。 ChatGPT・Perplexity・GoogleのAI回答で、施策の前後を比べる実験はしていません。引用されるかどうかを左右する要因は、公式の説明が少なく、論文や実測も「観察」が中心です。
- Microsoftの助言(Q&A形式、構造化データなど)は、今回、原典を取り直していません。 調査レポートの記述にもとづいています。Googleの助言と逆向きに見える部分があり、エンジンごとに違う可能性があります。
- 日本語での統制実験は、見つけられていません。 引用の統計や論文は、ほとんどが英語圏のデータです。
- aachat自身のブログで、AI検索対策の前後を比べた実験はしていません。 計測の環境も、まだ整っていません。
- 数字や仕様は変わります。この記事は2026年10月8日時点です。Search Consoleの生成AIレポート(2026年8月31日に全サイトへ展開)や、GA4のチャネル(2026年5月13日)も、新しい機能です。
まとめ
- Googleの立場では、AEO・GEOは「まだSEO」。AI Overviews・AI Modeに出るための、特別な最適化はありません。
- ただし、それはGoogle検索の話だけ。ChatGPTなどに出る入口は、AI検索ボットの許可です。
- 実測で、robots.txtは許可なのに、CDNがAIボットのUAを弾いているサイトが、20サイト中4つありました。robots.txtを見るだけでは、見つかりません。
- 「やらなくていい」のは、llms.txt、チャンク化、AI向けだけの書き換え、本物でない言及集め、スキーマ・FAQ頼み。時間は、独自の中身に使ったほうがいいです。
- 効くと言えるのは、「話題がぴったり合っている」と「独自の中身」くらい。それ以外は、根拠が割れています。
- 最初に計測の窓を開けておくと、後で「効いたのか、揺れただけなのか」を判断できます。
まずは、自分のサイトのrobots.txtを開いてみてください。3分で終わります。そこにGPTBotやOAI-SearchBotの名前があったら、それが「入口」の最初のヒントです。
関連記事
- AI検索からの流入、どう測る? 無料で開ける4つの窓と、同じ質問でも答えが毎回変わる問題
- AIは検索するとき何をしている? エージェントに調べものをさせて、質問の分け方から引用先の選び方までログで追ってみた
- AIで書いた記事はGoogleで評価される?
参考にした資料
- Google Search Central「Optimizing your website for generative AI features on Google Search」(英語版2026-07-10更新、日本語版2026-09-23更新。2026-10-08取得):https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/ai-optimization-guide
- Google Search Central ブログ「A new resource for optimizing for generative AI in Google Search」(2026-05-15):https://developers.google.com/search/blog/2026/05/a-new-resource-for-optimizing
- Google Search Central「robots.txt specification」:https://developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/robots/robots_txt
- Google Search Central 更新履歴(FAQリッチリザルトの終了、2026-05-08発表):https://developers.google.com/search/updates
- OpenAI「Overview of OpenAI Crawlers」:https://developers.openai.com/api/docs/bots
- Anthropic「Does Anthropic crawl data from the web, and how can site owners block the crawler?」:https://support.claude.com/en/articles/8896518-does-anthropic-crawl-data-from-the-web-and-how-can-site-owners-block-the-crawler
- Ahrefs「We Tracked 1,885 Pages Adding Schema. AI Citations Barely Moved.」(2026-05):https://ahrefs.com/blog/schema-ai-citations/
- Ahrefs「We Analyzed 137K Sites: 97% of llms.txt Files Never Get Read」(2026-06):https://ahrefs.com/blog/llmstxt-study/
- Ahrefs「Update: 38% of AI Overview Citations Pull From The Top 10」(2026-03):https://ahrefs.com/blog/ai-overview-citations-top-10/
- Aggarwal et al.「GEO: Generative Engine Optimization」(KDD 2024):https://arxiv.org/abs/2311.09735
- 「C-SEO Bench: Does Conversational SEO Work?」(NeurIPS 2025 Datasets and Benchmarks):https://arxiv.org/abs/2506.11097
- 「What Gets Cited: Competitive GEO in AI Answer Engines」(SIGIR 2026):https://arxiv.org/abs/2605.25517
- 「Navigating the Shift: A Comparative Analysis of Web Search and Generative AI Response Generation」:https://arxiv.org/abs/2601.16858